2020/12/21
写本の探し方
カタログとしては、「F. W. Hall, A Companion to Classical Texts. Chicago 1970」があります(参照:西洋古典学会Q&A)。現在では、多くの写本が電子化され、所蔵図書館のWebサイトから閲覧や入手が可能になっています。各地の図書館で電子化された写本のカタログとしては、完全なものではありませんが、「Digitized Greek Manuscripts - Princeton University Library」があります。著者、所蔵図書館、筆写年代等から絞り込んで検索できます。主要写本の写本記号については、Oxford Classical Texts等のシリーズで概ね確認できます。
プラトンの写本
プラトン作品の写本のうち、A,B,F,W,Y,P,Tの7種類が主要写本と言われています。このうちFWYはオーストリア国立図書館、Aはフランス国立図書館、Bはボドリアン図書館、Pはバチカン図書館、Tはマルチャーナ図書館のWebサイトから入手できます。なお、これらの7写本のうち、『法律』が含まれるのはAだけです。OxfordのテクストではAのほかにOとLが校訂に用いられています。Oはバチカン図書館、Lはマルチャーナ図書館にあります。系統図は、「プラトン写本の伝承について(粟野 頼之祐)」に記載があります。以下、各写本へのリンクです。なお、バチカン図書館所蔵写本については、ダウンロードすると判読しづらいので、オンライン上で閲覧するのが無難です。
写本名 | 写本記号 | 所蔵図書館 |
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A | cod. Parisinus graecus 1807 | フランス国立図書館 |
B | cod. Bodleianus, MS. E. D. Clarke 39 | ボドリアン図書館(リンク先「Download」から) |
F | cod. Vindobonensis 55, suppl. phil. Gr. 39 | オーストリア国立図書館(リンク先「Online Access」) |
W | cod. Vindobonensis 54. suppl. phil. Gr. 7 | |
Y | cod. Vindobonensis 21 | |
O | cod. Vaticanus graecus 1 | バチカン図書館(リンク先「BROWSE」) |
P | cod. Vaticanus Palatinus 173 | |
L | cod. Laurentianus lxxx. 17 | マルチャーナ図書館(リンク先「VISUALIZZA OGGETTO DIGITALE」) |
T | cod. Venetus Append. Class. 4, cod. 1 |